先日『何を書けばいいかわからない人のための「うまく」「はやく」書ける文章術』で紹介させていただいた目的を達成する文章術の内、文章作成は「疑問」から始まるで、この項目についてより詳しく書かれた本があると触れさせていただいた本の紹介です。
前述の本が「うまく」「はやく」に重点をおいているのに対し、今回ご紹介する『「9マス」で 悩まず書ける文章術』は、そのタイトルのとおり悩まずスラスラと文章が書けるようになる術を紹介しています。
- 文章を書くことに苦手意識がある
- うまい文章を書こうと思って時間がかかる
- もっと悩まずにスラスラ文章が書きたい
- 当てはめるだけの文章の型っていうけど、結局どれを選べばいいかわからない
『「9マス」で 悩まず書ける文章術』はどんな本?
★★40万部突破! ベストセラー『学びを結果に変えるアウトプット大全 』樺沢紫苑先生推薦! ★★
マス目を埋めるだけで、驚くほどすらすら書けるようになる!
「短時間で伝わる文章が書きたい」人必読の一冊「伝わる文章」を書くには、素材集め→素材選び→文章作成が不可欠です。
特に素材集めを極めれば、バズる文章を書くことも夢ではありません。そこで本書では、「9マス」を使って良質な素材を集める方法を紹介。
「質問を考える→答える→答えをつなげる→文章をみがく」
この4ステップをくり返すことで、
誰でも、楽しく、「伝わる文章」を完成させることができます。また第4章には、書くスピードが劇的にアップする
「文章テンプレート」を4種類用意。
このテンプレートに沿って書くだけで、
理想的な文章があっという間に仕上がります。
しかも、SNSや企画書、メール、レポートなど様々なツールに応用可能。
「書けない」悩みを、楽しみながら解決に導く一冊です。引用:amazon商品紹介
2019年4月に初版が出た本ですが、品切れ状態が続いて発送まで時間がかかる場合があります。
著者 山口拓朗さんはアマゾンkindle本年間ランキング1位の受賞経験有り!!
先日ご紹介した『何を書けばいいかわからない人のための「うまく」「はやく」書ける文章術』以外にも
- 残念ながら、その文章では伝わりません
- だから、読み手に伝わらない! (もう失敗しない文章コミュニケーションの技術)
- 書かずに文章が上手くなるトレーニング
- 伝わる文章が「速く」「思い通り」に書ける 87の法則 (Asuka business & language book)
- 買わせる文章が「誰でも」「思い通り」に書ける101の法則 (アスカビジネス)
など、多数執筆。論理的に伝わる文章の書き方や売れる文章・コピーの作り方、ファンを増やすブログ記事の書き方の実践的ノウハウを講演や研修を通じて提供されています。
電子書籍『ダメな文章を達人の文章にする31の方法 なぜあなたの文章はわかりにくいのか?文章の書き方が分かる本』は、2013年アマゾンkindle本(ビジネス・経済部門)の年間ランキング1位にも輝きました。
書けない悩みは「9マス」で解決できる
なぜ9マスを使うのか?
それは、人には枠があると埋めたくなる習性があるからだと筆者は提言しています。
4マスや6マスでは文章作成に必要な情報を洗い出すのには不足し、12マスや16マスでは多すぎて尻込みしてしまう。9マスは文章を書くのに必要な情報が揃えられ、書く事に抵抗を覚えない絶妙のマス数というわけです。
ではその9マスをどう使えば、悩まずに文章が書けるようになるのか?
6章55項目から構成される『「9マス」で 悩まず書ける文章術』から、3つご紹介したいと思います。
- 9マスは情報収集アンテナを張るための疑問をもつヒント
- 9マスを埋めることで、一通りの文章がスラスラ書ける
- 技術力・表現力を上げてよりうまい文章を書く
1つずつ詳しく見ていきましょう。
9マスは情報収集アンテナを張るための疑問をもつ手がかり
文章作成は「疑問」からはじまる。
ブログの執筆にはキーワードの選定。けれど、そのキーワードもそもそも候補となるキーワードを見つけなければならない。
キーワードを見つけるためには情報収集アンテナが必要で、疑問をもつことから始まる―…
とは、既に紹介させていただいた『何を書けばいいかわからない人のための「うまく」「はやく」書ける文章術』の通りです。
しかし何に着目していいかわからない状態では、疑問に思うことすらできないのもまた事実。
たとえるなら、日本語を知らない人に文章術を教えるようなものです。漢字の意味、句読点の意味も分からない方に、読みやすい漢字とひらがなの割合、句読点を打つ場所のポイントを教えたところで、知識の詰まった文章は記号と同じ。絵画と同じ、アートでしかないのです。
私たち日本人がデザイン性だけで選んだ英字Tシャツの意味が、『I AM A WHORE』(意:私は。。。、もしくは、私は尻軽女)だったり、『DIARRHOEA』(意:下痢)だったりするのに気付かず堂々と着ている感覚です。
そこで『「9マス」で 悩まず書ける文章術』では、まずどこに疑問をもって着目すればいいのかを提案しています。
旅行に行くから、帰ってきたらブログを書こう。そう思っても、いざ帰ってきたら「楽しかった」しかなく、なかなか記事は書けないものです。
しかし、今回の旅行は行く地域の食文化について知ろうと目的を持てば、行く前にその地域で食べられる特産物に自然と目がいきます。名物が食べられる有名店に足を運んでみようとなるかもしれませんし、どうしてそれが特産品となったのか、気候や風土にも興味が沸くかもしれません。
そんな興味は知ることに繋がり、文章を書くネタになります。興奮のあまり、旅行前から記事を書きたくなるかもしれません。
ちなみに私は旅行に行く際、神社を訪れることが多いです。
御祭神は誰なのか? その神様はどんな神様なのか? 自分が住む静岡とは、どんな関係があるのか? そんなことを考えていると旅行に行くのがますます楽しみになります。御朱印をもらえる時間も事前にチェックするようになるので、もう受付終わってた…なんて事態も防ぐことができます。
つまり、疑問を持ってアンテナを張ることで、様々なことをより深く楽しむことができるのです。
9マスを埋めることで、一通りの文章がスラスラ書ける
9マスは文章を書く前提の情報収集の段階から、文章を書くことそのものにも応用ができます。
たとえば転職をしたいという思いを伝える文章。
最終的に訴えたいことは転職をしたいという事実ですが、その背景にある思いが伝わることで、より筆者の気持ちが見える文章、オリジナリティのある生き生きとした文章になります。
今回書いた文章は「疑問」を持つことだけ意識して書いた文章ですが、9マスを使えばこれよりさらに読者に伝わる文章が書けます。
断言できるのは、自分のイチ押しラーメンについて書く事を例題が本書に挙げられているからです。
今日はお昼にとんこつラーメンを食べに行きました。
という一文が
(前略)運ばれてきたラーメンは、茶色いスープに具材がてんこ盛りで(中略)とんこつ魚介系でかなりドロドロしていました。ところが、ひと口すすってびっくり。思ったよりあっさり味だったのです。肉厚なチャーシューとトロトロの半熟卵(以下略)
思わず私も食べたい!と思う文章に変化した様はまさに圧巻でした。
しかもそれは自問自答で埋めた9マスを並び替えただけでできあがった文章なのですから、「9マス」で 悩まず書ける文章術の実力は本物です。
実践から文章の技術力・表現力を上げる
同じ著者が書いた『何を書けばいいかわからない人のための「うまく」「はやく」書ける文章術』では、文章を推敲する際の具体的なポイントが実例を挙げて提示されていたのに対し、本書『「9マス」で 悩まず書ける文章術』では、より実践的に文章の技術力・表現力を上げる方法が提示されています。
具体的には
- 論理的に説明する力を高める「道順説明ゲーム」
- 具体的なイメージをつかむ「たとえばゲーム」
- 文章力を伸ばす「PDCA」
などです。
実践的・具体的な行動で示されているので、文章の技術力・表現力とはそもそも何なのか? と思われる方には、とても理解がしやすいと思います。
『「9マス」で 悩まず書ける文章術』を実践すれば、文章はもっとスラスラ書ける
同じ著者の本を2冊続けて紹介することになりましたが、重複する箇所も多いので、どちらか1冊あれば筆者の文章術の概要は掴めると思います。
まずはアンテナの張り、書く事に慣れたいのならば本書『「9マス」で 悩まず書ける文章術』を。
書くネタには悩まない。書く技術を上げたいのなら、『何を書けばいいかわからない人のための「うまく」「はやく」書ける文章術』を選択すると良いでしょう。
私の受けた印象は、「9マス」で 悩まず書ける文章術の方が初心者向きの本。文章を書くことに抵抗のある方、苦手意識を持っている方でも文章が書けるようになる本です。
しかし1日3つのGOODニュースを書くことは自己肯定感を高める手帳術にも繋がりますし、5年後の未来プロフィールを書く事についてはなりたい自分になる夢ノートにも通じる部分があります。
書くことのパワーを知ることが出来る本なので、やはり初心者のみならず多くの人に読んでいただきたいと思い、紹介させていただきました。
そして本書『「9マス」で 悩まず書ける文章術』を読んで、もっと語彙力や文法、表現力をつけたいと思ったら『何を書けばいいかわからない人のための「うまく」「はやく」書ける文章術』を読んでいただきたいです。より読みやすく・伝わる、目的を達成するうまい文章が書けることでしょう。
紹介レビューも書いているので、興味をもたれたら是非こちらの記事もどうぞ。
最後に私がなぜ山口拓朗さんの書かれた本に惹かれたのか(紹介した2冊以外にも複数冊読破している)がわかる一節があったので紹介します。
文章を書くうえでは、「具体」と「抽象」を行き来する意識も非常に有効です。
抽象的なことばかり書かれてあっても、読む人は具体的にイメージできません。だからといって、具体的なことばかりでいいかといえば、そんなことはありません。具体的なことばかりでは、読む人がその話の”核”や”本質”をつかみそこねるかもしれません。「抽象的な表現」と「具体的な表現」をバランス良く盛り込むことができたとき、読む人にとって、読みやすく、理解しやすい文章ができ上がります。
ネットには本質的な部分を訴える文章はたくさんあります。テクニック的なノウハウもたくさんあります。しかし、それぞれを繋げて本質的な理解をしながらテクニックを学ぶことのできる文章は、そう多くありません。
なぜならブログを含めたネットの情報には、1記事1テーマの基本があるからです。
1つずつ理解をし、ステップを踏み、時には前のページに戻ったり、あるいは全体像をつかめる目次に戻ったり。俯瞰することもピンポイントで知ることも同時にできるのが本の魅力だと、私は思っています。
文章を書くことの本質を学びながら、テクニックも身につけたいのならば、ぜひ読んでいただきたい本です。
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