
「今年こそは」
そう決めたはずの目標が3日と続かない。三日坊主ならまだマシ。二日目すらめんどくさいと感じてしまう…
夢や憧れを抱きつつ、そのための行動を続けることの難しさを知っていて、それでも「今度こそ」と奮起するあなたに、目標を継続するためのコツをお伝えします。
継続のコツ10選
継続するためには10つのコツがあります。
全てを達成しなければ継続できないというものではありませんが、コツをおさえればおさえるほど、目標は継続しやすくなります。
知識として頭の片隅におくのでは意味がありません。例を挙げて紹介していきますので、ぜひ自分に当てはめて考え、行動してみてくださいね。
なぜその行動を継続したいのか、目的を明確にする

継続したいと思う行動は、なぜ継続したいと思うのか。
まずはその理由を明確にしましょう。
目的が明確になっていると、継続したいと決めた目標が達成できなかったときにも、目的を達成するための方法はまだまだ他にいくらでもある。今回の目標はたまたま自分に合わなかったけれど、別の目標を立ててまた努力していけば、目的は必ず達成できると意識を切り替えて再スタートすることができます。
目的が明確になったら、目に見えかたちにして、常に見えるようにしておきましょう。
目的を目標に変える

目的が明確になったら、続いて目標を設定していきましょう。

目的と目標は同じじゃないの?
目標には期日を定める

「いつか〇〇になりたいな」と漠然と思っているうちは、目標ではなく夢です。
夢にはなくて、目標にはあるもの―それは、明確な期日です。
「いつか」ではなく、1年後、半年後、1ヶ月後。目的地にたどり着くために、目標を立てていきましょう。
目標を細分化し、毎日の最低限の行動目標を決める

期日を定めた目標が決められたら、継続したいと思っている目標が正しい目標を設定かを確認していきましょう。
期日までに目標を達成できる行動目標であることは大前提ですが、継続できる行動目標の設定には3つのポイントがあります。
- 期日までに目標を達成できる行動目標であること
- 「やらないこと」ではなく「やること」であること
- 毎日できる、計測できる単位であること
1つずつ詳しく見ていきましょう。
期日までに目標を達成できる行動目標である

毎日の行動まで落とし込めない目標は、期日の設定が先になりすぎています。
困難は分割せよ
フランスの哲学者 ルネ・デカルト(1596-1650)
目標を設定し直し、目標のために毎日する行動を決めましょう。
行動目標は「やらないこと」ではなく「やること」を決める

突然ですが、「今から30秒間ピンクの像を想像しないでください。」
色鮮やかなピンク色の像は、自然界には存在しません。空を飛ぶこともありませんし、愉快そうにダンスをすることもありません。
そう言われると、今までピンクの像なんて頭になかったのに、ピンクの像が頭の中にイメージされ、考えないようにと思えば思うほど頭から離れなくなってしまいませんか?
これは、人間の脳は否定形を理解できず、潜在意識に刷り込まれてしまうからです。
私たちが日常的に使っている思考のうち、意識的に使う顕在意識はたったの3~10%。残りの90%~97%は、普段意識することのない潜在意識に占められています。
潜在意識は思考や無意識の行動をつかさどっています。決めた行動目標を継続していくためには、無意識にでも体が動くようになるほど習慣化させることが重要なポイントです。つまり目標とする行動を、潜在意識に刷り込む必要があるのです。
潜在意識は「否定形・時制・主語」を判断できないという特徴があります。
「やらないこと」ではなく「やること」を決めましょう。
行動目標は毎日できる、計測できる単位で決める

行動目標は毎日できる行動にまで細分化し、時間や回数など計測できる単位で目標を定めましょう。
漠然とした目標では、具体的にどんな行動をすればいいのかがわかりません。自分だけではなく、誰が聞いても100%同じ目標をイメージできる目標であることがポイントです。
時間を確保する

新しいことを始めることを決めるとき、人はその分だけ時間が増えると勘違いしがちです。
やりたいことを決めたなら、同時にやらないことを決めなければなりません。
睡眠時間を削ってはいけない

やらないことを決める時、1つだけ注意しなければならないことがあります。それは、睡眠時間を削らないこと。
睡眠は
- 脳や身体の休養
- 疲労回復
- 免疫機能の増加
- 記憶の固定、整理
- 感情整理
など、多くの重要な役割を担っています。
決めたことをやり遂げたい!続けたいと思うのであれば、(むしろ思うものがなくても)睡眠は真っ先に確保しなければならない習慣です。
継続しやすい時間を確保するタイミング
行動目標を実行する時間を確保するうえで、継続しやすいタイミングを紹介しましょう。
毎日必ず行う行動をするタイミングで、続けて〇〇をすると設定すると継続しやすい行動になります。
また、既に習慣になっている行動とセット既に習慣になっている行動とセットにするのもおすすめです。
リマインダー登録する

継続をしたいと固い決意で始めたはずなのに、うっかり忘れてしまうことがあります。後から気付いて「やっぱり自分は継続できない人間なんだ…」と自己嫌悪に陥る前に、うっかり忘れを防ぐようにリマインダー登録をしておきましょう。
「今日はめんどくさいからサボろうかな…」と思ってしまうときにも、アラームが鳴ることでやる気スイッチを入れることができます。

私は起床直後のブログ執筆はスマホのアラーム設定に「今日も〇〇をかなえるためにブログ頑張ろう!」とメッセージが表示されるように。運動習慣はスマートウォッチに「スクワット10回×5種スタート!」と設定しています
人間は忘れる生き物
ドイツの心理学者ヘルマン・エビングハウス
宣言する

目標を声に出して他人に宣言することで、その目標は達成しやすくなります。

「やる!」って宣言したのにできないとカッコ悪いもんね
自分にプレッシャーをかけることができると同時に、周りからの目も厳しくなりますので目標を達成しやすくなります。
仲間を見つける

意識や能力の高い集団に身を置くことで、切磋琢磨しお互いを高めあうことができるピア効果というものがあります。
難関大学を目指す進学校がわかりやすく、教育の現場において用いられることが多いピア効果ですが、目標を達成するための行動を継続するためにも活用することができます。
ハーバード大学医学部のニコラス・クリスタキス教授が行った調査がある。肥満傾向の人が持っている人的ネットワークを調べたところ、「太った友だちを作ると自分も太る傾向が強くなり、肥満は人から人へとあたかもウィルスが伝染するように広がっていく」ということが統計的に証明されたのである。
この研究は合計1万2067人を対象に、32年間におよぶ体重の遷移を、その人の配偶者、兄弟、親戚、友人関係などの社会関係とともに詳細に分析したという恐るべきものだ。調査の結果、「肥満の友人がいる人は57%の確率で太る」ということが明らかになった。
瀧本 哲史「君に友だちはいらない」
仲間探しにはSNSを活用するとよいでしょう。
同じような目標に向かって頑張る仲間をみつけるのは日常生活圏内では難しいかもしれませんが、SNSなら世界中の人と繋がり見つけることができます。
達成を記録する

人が「幸せ」だと感じる5つの要素の中に「達成(Achievement)」というものがあります。
継続している成果―達成度が目に見えると、自分を客観的にとらえられるようになり、継続への意志力も高めることができるようになります。
記録すること自体が面倒だと感じることのないように、楽しい・嬉しいことにフォーカスして記録する方法を選ぶと良いでしょう。

カレンダーに×をつけるのは続かなかったけど、かわいいシールを貼るようにしたら続いた!なんて私の例もありますよ
イレギュラー時のルールを決めておく
予定していた通りに全てことが進めばいいですが、人生には予定もしていなかった出来事が起こったり予定が入ってしまうことも多々あります。
できなかったときのショックを和らげるためにも、やらない言い訳を探さないためにもイレギュラー時のルールを決めておきましょう。
毎日の上限を決めておく
何かを始めようと決める時―それは、やる気に満ち溢れている時です。
モチベーションが高いとき、人はつい頑張りすぎてしまいがち。

昨日あんなに頑張ったんだから、今日は休んでもいいよね
これこそが、やると決めたことなのに続かなくなってしまう原因のひとつです。
「腹八分目に医者いらず」ということわざがあります。腹八分目で食事を終えると、体脂肪や血糖値、中佐脂肪値などが減少し、健康寿命を延ばすことができるという研究結果があります。満腹を繰りかえしていると胃腸に負担がかかりすぎてしまいますし、満腹を超えて食べると「もうしばらく食べたくない」とさえ思ってしまうものです。
物ごとの継続も食欲と同じように「昨日は十分すぎるくらい頑張ったから、今日はやらなくてもいいかな」と思うラインまでやらず「もう少しやりたいんだけど…」と感じるくらいで敢えて止めるのが、毎日こつこつ続けるためのコツです。
あえて「やらない」日を設定しておく

続かないことを前提に、あえて「やらない日」をあらかじめ設けておくことも、継続するためのコツの1つです。
「やらなくちゃ」「休んじゃいけない」と、自分に課した目標を達成しようと無理をしてしまうと、ある日突然ガス欠のようにプスンとやる気が途切れてしまうことがあります。
それならば、あらかじめ「やらない日」を決めて「やらない」と決めた日は絶対に休むようにしましょう。
やりたくないと思う日も、「やらなくていい日」があると思えば頑張れる。
やりたくても休む。
そうすることで、またやる気ゲージは満タンになり、突然のガス欠を防ぐことができます。
- 目的を再確認する
- 頑張った成果―記録を眺めて自分を褒める
継続できないのは意志の弱さではなく「脳」が原因
やめたいと思う悪習慣は続くのに、やりたいと思う行動目標は続かない。

やっぱり自分はダメな人間なんだ…
などと、落ち込む必要は一切ありません。続かないのは「脳のしくみ」上、仕方のないことなのです。
人間の脳は「保つ」ことを良しとし、新しいことを嫌う
脳にはホメオスタシスと呼ばれる性質があり、外界が絶えず変化をしていたとしても、体内の状態(体温・血液量・血液の成分など)を一定に維持する能力があります。
生物学上の用語ではありますが、心理学においても使用され「今のライフスタイルや環境をなるべく維持しよう」とする、心理的ホメオスタシス
心理的ホメオスタシスには良い面と悪い面があり、良い面では生活に安定をもたらしてくれる効果があります。逆に悪い面では「何かを始めたい」と思って始めたことを、三日坊主で終わらせてしまうことです。

じゃあ何かを始めたいと思うのは無意味ってこと?

この「保とうとする」仕組みを逆に生かしましょう!
人間の脳の仕組みとして保とうとするホメオスタシスがあるとご紹介しましたが、この「保とうとする」仕組みを、逆に生かせれば【習慣】となります。
継続できるようになる=習慣になると「やらない」ことの方が不自然になる
脳が継続して続けている状態を「安定」と感じると、今度は「やらない」ことの方が不自然となります。
この状態になると「やろう」と意識を向けなくても、自然と身体が動くようになります。これが「習慣」です。
習慣化までに必要な日数は18日~254日(平均66日)
習慣化に必要な日数は人それぞれ、複雑で負荷の大きな行動ほど時間がかかると言われています。
「毎日水を飲む」という簡単な習慣でさえ、習慣化には平均20日かかるという検証結果もあります。あせらず、本当に小さな目標から少しずつコツコツと達成させていきましょう。

継続するってそんなに難しいことなんだ!!
4日以上続けて休まない

イレギュラー時の目標も決めてたのに、それすら達成できなかった…やっぱり自分はダメなんだ…

絶対にそんなことはありません!
ビクトリア大学の研究結果で、週4日以上継続すると習慣化しやすいということがわかっています。
たとえ3日続けて休んでしまっても残りの4日目でやりきることができたなら、それは十分に習慣化できる余地のあるお休みと判断していいでしょう。
4日以上続かないのは、そもそも目標設定が間違っているから

なんかやる気が出なくて4日目も休んじゃった…
4日以上続かない目標は、そもそも目標設定が間違っていると考えましょう。
目標設定の誤りにはいくつかのパターンがあります
- 心の底から「やりたい」と思っている目標ではない
- 難しすぎて達成が困難
- 簡単すぎて達成感を得られない

私の目標設定失敗例
・ブログを週1記事更新するために【毎日PCの電源をつける】→PCをつけても書かない
新たな目標を設定
・ブログを最低でも月1記事更新するために【毎朝25分以上執筆する 】→寝坊や体調不良でできなかったときはその週にリカバリーできればOKとする=継続中
目標のレベルを上げるタイミング
継続したいと思っている行動が習慣になったか?
目標の設定は適切か?
水を飲むという単純な行動でさえ習慣化には平均20日かかると知ると、目標は低く低く設定した方がいいと思う。とはいえ、目標はあくまで目的を達成するためのステップであると考えると、もっと高い目標でなければいけないのではないか?

目標設定って難しすぎ…
たとえ適切な目標を立てることができたとしても、それが常に最適解であるとは限りません。何故なら人は成長し続けることのできる生き物だから。
とはいえ、いきなり行動目標のレベルを上げ過ぎてしまうと続かなくなってしまうので、行動目標のレベルを上げるタイミングをお伝えします。
無意識に行動できるようになってから
行動目標のレベルを上げる一つ目の目安は、無意識に行動ができるようになること。
継続したいと決めた目標が完全に習慣になっている状態ですので、行動目標のレベルを上げても良いでしょう。
「やらなくていい日」を苦痛に感じてから
複雑な行動目標を習慣化したいと思った時には、無意識レベルにまで落としこめているかの判断が難しいものがあります。
そんなときは継続のコツ10「あえて「やらない日」を設定する」で設定した日を迎えたときの気持ちを観察してみましょう。
迎えた「やらない日」が落ち着かない、気持ち悪いと感じたのであれば、それはやることが習慣になっているという一つの目安となります。
継続こそ力
今回紹介した継続のコツは、全てを達成しなければ継続できないというものではありません。またコツ1つにつき方法は複数あるので、こっちは合わなかったけど、こっちは自分に合っているということもあります。
もし決めた目標が継続できなかったときには、また達成できなかった…と自己嫌悪に浸るのではなく、今回の方法や目標はたまたま自分に合っていなかっただけだと理解しましょう。

発明王トーマス・アルバ・エジソンは電球を実用化させるためのフィラメントの素材―日本の竹にたどり着くまで、何百、何千というありとあらゆる素材で実験し失敗を重ねたんですよ。
私は実験において失敗など一度たりともしていない。これでは電球は光らないという発見を今までに、1万回してきたのだ。
トーマス・アルバ・エジソン
続けられない原因を探り、取り除き、また新たな目標を定めて努力していきましょう。そうして努力を続けていけば、必ずや目的地にたどり着けることでしょう。
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